勧修寺

勧修寺氷池園

真言宗山階派の大本山で、十三門跡寺院の一つである。醍醐天皇が、早逝した生母の菩提を弔うために創建した。かつて宮中に氷を献上した地泉庭園の氷池園には、睡蓮や杜若が咲き競い、野鳥の寝床ともなっている。

勧修寺

勧修寺について

基本情報

山号寺号
亀甲山勧修寺(きっこうざんかじゅうじ)
別称
勧修寺(かんしゅうじ、かんじゅじ)
宗派
真言宗山階派(やましなは)
寺格
山階派大本山
創建
900年(昌泰三年)
開山
承俊(しょうしゅん)
開基
醍醐天皇
本尊
千手観音
札所
真言宗十八本山10番
駐車場
無料駐車場あり
交通機関
地下鉄小野駅徒歩5分、山科駅から京阪バス勧修寺北出町下車
住所
京都府京都市山科区勧修寺仁王堂町27-6

概要

山科区にある真言宗山階派の大本山。 醍醐天皇が、早逝した生母 藤原胤子(ふじわらのいんし)の菩提を弔うために創建した。 十三門跡寺院の一つで、皇室や藤原氏にゆかりの深い寺院である。 書院、本堂、宸殿などの境内の主要な建物は、江戸時代の再建時に皇室から下賜されたものである。 藤原胤子の両親である藤原高藤(ふじわらのたかふじ)と宮道列子(みやじれつし)が当寺で出会うロマンスが、「今昔物語集」に描かれている。 かつて宮中に氷を献上した地泉庭園の氷池園には、スイレンやカキツバタが咲き競い、野鳥の寝床ともなっている。 また、水戸光圀の寄進といわれる勧修寺型灯篭でも知られる。

見所

国宝
刺繍釈迦如来説法図 - 勧修寺繍帳と称される。(奈良国立博物館所蔵)
国重要文化財
書院 - 1686年、後西院の旧殿を下賜されたものとされる。一の間の違棚は「勧修寺棚」として知られ、障壁画は土佐光起・光成父子の作とされる。
蓮華蒔絵経箱 - 鎌倉時代の作。
仁王経良賁疏
金剛頂瑜伽経
市名勝
勧修寺氷池園 - 氷室池を中心とした池泉舟遊式庭園で平安時代の作庭。睡蓮、杜若、花菖蒲が咲き競う名所。
観光名所
宸殿 - 寝殿造風の建物で、元禄年間に明正天皇の旧御殿が下賜された。
観音堂 - 昭和6年の再建。「大斐閣」とも称される楼閣。
勧修寺型燈篭 - 書院前の平庭に立つ。水戸光圀寄進と伝えられる。

歴史

900年
醍醐天皇が、早逝した生母 藤原胤子の追善のため、胤子の弟である藤原定方(ふじわのさだかた)に命じ、東大寺出身の承俊を迎えて創建した。醍醐天皇の祖父 藤原高藤の諡号(しごう)をとって「勧修寺」と号した。
905年
定額寺に列せられ、皇室と藤原氏の援助を受けて興隆した。
1110年
第七世となった寛信(かんじん)は、勧修寺流の祖で、後の山階派を確立する。寛信は、藤原為房の子で、東寺長者、東大寺別当などを歴任した人物。
1337年
後伏見天皇第7皇子の寛胤法親王が15世長吏となって以来、幕末まで親王が住寺する宮門跡寺院となった。
南北朝時代
加賀国郡家荘や三河・備前など18か荘に及ぶ広大な寺領をもち、真言宗小野流の中心寺院として最盛期を迎えた。
応仁の乱
兵火で焼失して衰退した。
1594年
伏見城築城の際に豊臣秀吉の怒りにふれ、伏見街道を造るために寺領の大半を没収された。
1682年
霊元天皇皇子の済深法親王が29世長吏のとき、東大寺大仏殿再建の功績で寺領が加増され、霊元天皇や明正天皇の旧殿が下賜され、本堂・宸殿・書院として移築された。
江戸時代
30世 尊孝法親王の叔母 真宮理子(さなのみやまさこ)が、徳川吉宗の正室であり、吉宗の出身地である紀州の約100か寺が末寺となった。
明治40年
明治以降、真言宗各派は、御室派、醍醐派、大覚寺派などと分派・合同を繰り返したが、勧修寺は真言宗にとどまっていたが、真言宗が、山階派・小野派・東寺派・泉涌寺派として独立し、山階派本山となった。
第二次大戦
仏教各派の統合が行われた。
昭和27年
再度、山階派として独立した。

撮影後記

 すぐ北隣を名神高速が貫いていますが、そういった印象は感じられず、境内は自然で溢れています。 氷室ノ池の中島には、シラサギなどの鷺の巣があって寝床になっています。 また、弁当持参で日がな一日、自慢の望遠レンズでカワセミを狙っているカメラマンの方もよくいます。 拝観者もほどほどで、実に平和なお寺さんです。
 面白いのは、氷室ノ池の奥の方に「この先行かれるのはご自由ですが 大いに危険」の札があること。 「大いに危険」というので、マムシやスッポン、もしかして池に凶暴なワニでもと思ったりしますが、以前に庭園主のサギとカラスが喧嘩して枝が落ちてくることがあったためとか。 テレビ朝日の「ナニコレ珍百景」でも取り上げられていました。 「危険」ではなく、赤線入りの大きな字で「大いに危険」が、なんだか微笑ましいですね。

更新履歴

2011年10月18日
初版をアップロードしました。
2013年12月31日
携帯電話・スマートフォン専用壁紙を休止しました。
2014年1月1日
一部の無料壁紙を会員限定の閲覧に制限しました。
2014年3月23日
登録カテゴリを洛東から移動しました。

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