下鴨神社

糺の森

上賀茂神社と共に賀茂氏の氏神を祀る賀茂社を成し、正式名称は「賀茂御祖神社」という。糺の森の広大な社叢に、国宝・重文の社殿が並び、世界文化遺産に登録されている。5月の葵祭では、優雅な王朝絵巻を再現する。

下鴨神社

下鴨神社について

基本情報

社名
賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)
別称
下鴨神社(しもがもじんじゃ)、下鴨さん
創建
不詳 - 紀元前90年頃に修造の記録がある。
主祭神
玉依姫命(タマヨリビメ)、賀茂建角身命
旧社格
名神大社、山城国一宮、二十二社、官幣大社
例祭
5月15日 - 葵祭。
駐車場
有料駐車場あり
交通機関
出町柳駅徒歩10分、下鴨神社前バス停徒歩5分
住所
京都府京都市左京区下鴨泉川町59
サイト
下鴨神社

概要

上賀茂神社と共に古代の賀茂氏の氏神である賀茂別雷神(かもわけいかづちのおおかみ)の母の玉依姫命、玉依姫命の父の賀茂建角身命を祀ることから「賀茂御祖神社」と呼ばれる。 京都で最も古い神社のひとつと云われ、紀元前90年に瑞垣の修造が行われたとの記録が残る。 朝廷の崇敬を集め正一位の神階を受け、「賀茂斎院の制」「式年遷宮の制」等が定められた。 古都京都の文化財として、世界文化遺産に登録され、国宝本殿2棟や53棟の重要文化財社殿が並び、国史跡「糺の森(ただすのもり)」の広大な社叢が広がっている。 また、賀茂神社両社の祭事である優雅な王朝絵巻を再現した葵祭は有名である。

見所

国宝
東本殿 - 1863年の再建。賀茂別雷命(上賀茂神社祭神)の母である玉依媛命が祀られている。
西本殿 - 1863年の再建。玉依姫命の父である賀茂建角身命が祀られている。
国重要文化財
叉蔵(あぜくら) - 本殿の西に建つ。1628年の造替。社宝を安置する。
祝詞舎 - 1628年の造替。本殿と幣殿の間にある。
幣殿 - 1628年の造替。本殿拝所となっている。
東西御料屋 2棟 - 1628年の造替。神饌所。
預り屋 - 1628年の造替。神官の神前奉仕のための控室だった。
東西廊 2棟 - 1628年の造替。幣殿及び御料理屋を結ぶ。
四脚中門 - 本宮に至る中門。1628年の造替。
中門東西廻廊 2棟 - 1628年の造替。
西唐門 附 左右透塀 2棟 - 1628年の造替。欄間にぶどうの紋様が彫刻されているところから「葡萄門」とも称される。
舞殿 - 1628年の造替。賀茂祭のとき勅使が御祭文を奏上し、東游が奉納される。御所被災の場合は、臨時の内侍所となる。
神服殿 - 舞殿の西に建つ。1629年の造替。もとは御神服の奉製をする御殿だった。行幸のときに玉座となり、御所被災の場合は、臨時の御座所となる。
橋殿 - 舞殿の東の御手洗川の上に建てられている。1628年の造替。御蔭祭で神宝を奉安し、名月管絃祭など神事が奉納される。
細殿 - 橋殿の東に建つ。1628年の造替。歌会や茶会などが行われる。
供御所 - 神服殿の西に建つ。1628年の造替。神饌を調理する東の間、魚介鳥類を調理する贄殿(中の間)、直会、勧盃の儀などが行われる待所(西の間)に分かれる。
東西楽屋 2棟 - 1628年の造替。雅楽が奉納される殿舎。
大炊所 附 井戸屋形 1棟 - 神饌を煮炊きしたり調理をする社殿。井戸屋は、神水が汲取られる井戸で、唯一の重文指定井戸。
楼門 - 丹塗の神門。1628年の造替。
楼門東西廻廊 2棟 - 1628年の造替。西廻廊に「剣の間」があり、賀茂祭で勅使が剣を解く場になる。
摂社出雲井於神社本殿 - 1628年の造替。
摂社三井神社本殿 3棟 - 1628年の造替。
摂社三井神社拝殿 - 1628年の造替。
摂社三井神社棟門 - 1628年の造替。
摂社三井神社東西廊下 2棟 - 1628年の造替。
国史跡
賀茂御祖神社境内 - ユネスコの世界文化遺産にも指定されている。
糺の森 - 下鴨神社の社叢。御手洗川(みたらしがわ)、泉川、奈良の小川、瀬見の小川が流れる。樹齢数百年の楠(クスノキ)、欅(ケヤキ)、椋(ムク)、神紋の二葉葵(フタバアオイ)など40種4700本の樹木が生い茂る。春は新緑、夏は蛍(ゲンジボタル)の乱舞、楓(カエデ)も植えられ冬紅葉も楽しめる。
御手洗池 - 御手洗川が注ぐ。みたらし団子の語源となった。
賀茂斎院御所旧跡 - かつて斎王が滞在していた御所跡。現在、大炊殿が建っている。
光琳の梅 - 尾形光琳「紅白梅図屏風」のモデルといわれる紅梅。
媛小松 - 解除所の前に立つヒメコマツ。日本最古の歌舞「東游」で詠まれている銘松。
摂社 - 河合神社(鴨長明ゆかりの名神大社。※河合神社紀行に掲載。)、出雲井於神社(重文、式内社)、三井神社(重文、名神大社)、日吉神社、貴布祢神社。
末社 - 印璽社、言社(本宮にある一言社・二言社・三言社)、井上社(土用丑の日に御手洗池で足つけ神事が行われる。)、相生社(2本の木が繋がった御神木「連理の榊」があり縁結びの神様)、愛宕社、稲荷社、祓社、印納社、沢田社、河崎社、賀茂斎院歴代斎王神霊社。
観光名所
境外摂社 - 賀茂波爾神社(高野上竹屋町)、御蔭神社(上高野東山)。

祭事

1月1日
歳旦祭
1月4日
蹴鞠始め
1月15日
御粥祭
3月3日
流し雛 - 土を丸め胡粉を塗った雛人形を桟俵に乗せ、御手洗川に流す。
5月初旬
賀茂祭 斎王代・女人列御禊神事 - 葵祭の斎王代たちが御手洗池で身を清める。上賀茂神社と下鴨神社の隔年交代。
5月3日
賀茂祭 流鏑馬神事 - 糺の森に設けられた360mの馬場で行われる。
5月5日
賀茂祭 歩射神事 - 矢が射られる。
5月12日
賀茂祭 御蔭祭 - 上高野にある境外摂社御蔭神社の荒御霊を下鴨神社に迎える。
5月15日
賀茂祭 本祭(葵祭) - 天皇から遣わされた勅使を京都御所に迎える「宮中の儀」、御所で人馬が列を整える「進発の儀」、平安貴族に扮した王朝行列が下鴨神社を経由し上賀茂神社へ向かう「路頭の儀」、それぞれの社頭で勅使が御祭文を奏上し御幣物を奉納する「社頭の儀」からなる。
6月上旬
蛍火の茶会 - 5千匹以上のホタルが御手洗川に放たれる。
7月土用の丑の日
御手洗祭 - 末社井上社の例祭。無病息災を祈願し、御手洗川に足を浸し、「足つけ神事」とも称される。
8月7日
夏越神事 - 御手洗池に立てた50本の斎串を奪い合う「矢取神事」。
8月中旬
古本市
9月中秋
名月管弦祭 - 橋殿で、舞楽、平安貴族舞、筝曲、尺八などが奉納される。
10月1日
印章祈願祭 - 末社印璽社の例祭。太政官布告で庶民にも実印使用が認められたことを記念する。
10月9日
大国秋祭 - 邦楽、舞楽が奉納される。

歴史

前658年
「続日本紀」によれば、御蔭山に祭神が降臨したとされる。
前91年
「鴨社造営記」によれば、崇神天皇七年に瑞垣が造営されたとされる。
544年
社伝によれば、葵祭が始められた。
677年
社伝によれば、官営神社となり、社殿が造営された。
750年頃
「続日本後紀」によれば、上賀茂神社と分社した。
784年
「続日本後紀」によれば、式年遷宮が行われ、本殿の修理が行われた。
794年
平安遷都で山城国の一宮になり、王城鎮護の社となった。
807年
正一位の神階を受けた。
810年
賀茂斎院の制が定められ、斎院御所は糺の森の北西に、常の御所は紫野大宮に設けられた。
870年
朝廷より、正一位の神位を与えられ、伊勢神宮に次ぐ地位を認められる
1036年
伊勢神宮と同じく、式年遷宮の制が定められ、以来式年遷宮が執り行われている。
1039年
二十二社の上七社に列格された。
1221年
承久の乱により焼失した。
1336年
足利尊氏は建武の乱で糺の森に布陣し、焼失した。
応仁の乱
兵火により社殿と糺の森の大部分を焼失した。
1502年
葵祭が中絶した。
1628年
現社殿のほとんどが造営された。
1694年
葵祭が再開された。
明治4年
官幣大社に列せられた。
昭和9年
室戸台風で、糺の森が壊滅的な打撃を受けた。
昭和31年
鎌倉時代から途絶えていた斎王の女人列が、斎王代として復活した。
平成6年
「古都京都の文化財」として、世界文化遺産に登録された。

撮影後記

 賀茂川と高野川が合流する地に鎮座しています。 かつては両岸まで糺ノ森が広がっていたそうで、今でも市民の憩いのスポットとして親しまれています。 名称の語源は諸説あるのですが、下鴨神社の祭神 賀茂建角身命の神話での「偽りを糺す」からともいわれます。 現在、偶然にも?南端に家庭裁判所が置かれ、神話との繋がりがあるのが興味深いところです。
 もうひとつ面白いのが、境内の御手洗池(みたらしのいけ)。 かつて底からは水泡が湧いていたそうで、この泡をかたどって、「みたらし団子」が生まれたそうです。 関東では団子4個が多く、団子三兄弟は3個ですが、本当のみたらし団子は5個が正解。 神社横の下鴨本通にある「加茂みたらし茶屋」さんでは、( ○-○○○○ー )と、上の一個だけ竹串の間隔が離れた御手洗団子が出てきます。 正確には、これが正真正銘のみたらし団子ということらしいのです。

更新履歴

2012年8月21日
初版をアップロードしました。
2013年12月31日
携帯電話・スマートフォン専用壁紙を休止しました。
2014年1月1日
一部の無料壁紙を会員限定の閲覧に制限しました。
2014年3月23日
登録カテゴリを洛北から移動しました。

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