寂光院

「平家物語」最終巻の舞台

大原にある天台宗尼院。建礼門院徳子が、平家滅亡後に隠棲した終焉の地である。「平家物語」で、後白河法皇が建礼門院のいる当院を訪ねた段は、物語のテーマである諸行無常を象徴する話として語り継がれてきた。

寂光院

寂光院について

基本情報

山号寺号
清香山寂光院(せいこうざんじゃっこういん)
別称
御閑居御所、高倉大原宮
宗派
天台宗尼寺
創建
伝 594年(推古天皇二年)
開山
伝 玉照姫(恵善尼) - 聖徳太子の乳母。
開基
伝 聖徳太子
本尊
六万体地蔵菩薩
駐車場
駐車場なし - 付近に有料駐車場多数あり。
交通機関
大原バス停徒歩15分
住所
京都府京都市左京区大原草生町676
サイト
寂光院

概要

大原にある天台宗の尼院。 開基は聖徳太子と伝える。 平清盛の娘で、高倉天皇の中宮となり、安徳天皇を産んだ建礼門院徳子が、平家滅亡後に隠棲し、平家一門と安徳天皇の菩提を弔い、終生この地で過ごされたことで有名である。 後白河法皇が秘かに建礼門院のいる当院を訪ねた「大原御幸」は、「平家物語」のテーマである諸行無常を象徴する段として語り継がれてきた。 平成12年の放火で本堂が全焼、本尊の木造地蔵菩薩立像も炭化したが、平成17年に復元再興されている。

見所

国重要文化財
木造地蔵菩薩立像(焼損)附 像内納入品 - 鎌倉時代の作。平成12年の放火で焼損するまでの旧本尊。収蔵庫に安置され、特定日に特別公開される。胎内に3,000体以上の地蔵菩薩像などが納められ「六万体地蔵尊」とも称される。納入品は無事であった。
宮内庁治定
建礼門院徳子大原西陵 - 建礼門院徳子の陵墓。後鳥羽天皇と順德天皇の大原陵に対して大原西陵という。御庵室跡の向かいに阿波内侍や右京大夫ら侍女たちの墓石も残る。
観光名所
本堂 - 平成12年に放火で焼失。前住職の「すべて元の通りに」を合図に、焼け残った木組みや部材から材木を吟味し、平成17年に再建された。再現復元された新本尊の木像地蔵菩薩立像、木造建礼門院像、木造阿波内侍像が安置されている。
鐘楼 - 江戸時代の建立で、「諸行無常の鐘」と称する梵鐘が懸かっている。
茶室 孤雲 - 昭和6年に茶室開きされた。昭和天皇即位の御大典で用いられた部材が京都御所から下賜された。
鳳智松殿 - 平成18年に本堂復興を記念して建てられた宝物殿。「平家物語」ゆかりの文化財を展示。
建礼門院御庵室跡 - 本堂北奥にある庵跡。門院が使用したという井戸も残る。
雪見灯籠 - 豊臣秀頼が本堂再建した際に伏見城から移されたものといわれる。
みぎわの桜 - 汀の池畔に立つ平家物語ゆかりの桜。後白河法皇が隠棲していた建礼門院を訪ね、「池水に汀の桜散りしきて 波の花こそ盛なりけれ」と詠んだ。本堂火災で被災し、現在はその子孫。
千年姫小松 - 汀(みぎわ)の池畔に立つ樹齢数百年になる五葉松であったが、本堂火災で被災し後に枯死した。現在は御神木として祀られている。
四方正面の池 - 本堂東側にある池で、四方どこから見ても正面となるように作庭された回遊式庭園となっている。

歴史

594年
聖徳太子が、父 用明天皇の菩提のために創建したともいわれ、太子の乳母であった玉照姫(恵善尼)が初代持住となったとも伝わる。
奈良時代
代々高貴な家門の姫君らが入寺したと伝えられる。
平安時代
空海の創建ともいわれ、比叡山延暦寺三千坊のひとつであったともいう。
1165年
藤原信西息女で建礼門院に仕えた阿波内侍(あわのないじ)が入寺した。(第2世とされている。)
1185年
平清盛息女 建礼門院徳子(高倉天皇の中宮で、安徳天皇の母)が、壇ノ浦の戦いに敗れ入水するが助けられ、東山の長楽寺で落飾し、半年後に平家一門と我が子である安徳天皇の菩提を弔うために入寺した。(第3世とされている。)
1186年
後白河法皇が、平家一門と高倉・安徳両帝の冥福を祈り大原御幸が行われ、建礼門院の隠棲している当寺をお忍びで訪ねた。
1213年頃
建礼門院が、諸行無常の人生に幕を引いた。
1603年
豊臣秀頼が、本堂を再興した。
明治元年
天台・浄土兼修から、延暦寺末寺となり天台宗となった。
平成12年
放火によって、本堂、並びに安置されていた旧本尊、旧建礼門院像などが焼失焼損した。
平成17年
本堂、本尊、建礼門院像などが再興された。

撮影後記

 三千院のある場所から大原川を渡った草生の里の谷奥にある尼寺です。 立地場所、並びに伽藍の割に拝観者が多いのは、「平家物語」で、後白河法皇に自らの諸行無常の人生を語り、全巻の幕引き役となっている結びの地だからでしょう。 まだ小学校に上がる頃だったとは思いますが、絵本でこの話を読んで、子供心に諸行無常という概念をなんとなく理解したことを今でも覚えています。
 本日、NHK大河ドラマ「平清盛」が最終回ということで、結びの地である当院をアップしました。 例年なら、最初の数回だけ真面目に視聴して、途中に数回チラ見し、そして年末の総集編だけ見る程度でしたが、今回は独眼竜正宗以来、毎回欠かさず視聴してしまいましたよ。 特に、第43回の「忠と孝のはざまで」という回で、平重盛役の窪田正孝さんの演技が印象に残っています。 視聴率が芳しくないのが玉に瑕ですが、骨太の大河で、自分的には気に入りました。(今観たばっかりですが、最終回にはガッカリしました。)

更新履歴

2012年12月23日
初版をアップロードしました。
2013年12月31日
携帯電話・スマートフォン専用壁紙を休止しました。
2014年1月1日
一部の無料壁紙を会員限定の閲覧に制限しました。

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