松尾大社

京都屈指の古社

松尾山の山裾に鎮座する京都屈指の古社。渡来人の秦氏が創建し、後に酒造の神としても信仰されるようになった。ヤマブキ咲く頃に行われる「松尾祭」は、千年以上の歴史をもつ祭事で、桂川で神輿の船渡御が行われる。

松尾大社

松尾大社について

基本情報

社名
松尾大社(まつのおたいしゃ)
創建
不詳 - 701年に現在の地に社殿を創建。
主祭神
大山咋神、市杵島姫命(イチキシマヒメ)
社格
式内社(名神大社)、二十二社、官幣大社、別表神社
例祭
4月2日
駐車場
無料駐車場あり
交通機関
阪急松尾駅徒歩3分、松尾大社前バス停徒歩3分
住所
京都府京都市西京区嵐山宮町3
サイト
松尾大社

概要

松尾山の山裾に鎮座する京都屈指の古社。 主祭神の大山咋神は、東の比叡山と西の松尾山に鎮座して山城を守る地祇である。 創建は不詳だが、5世紀頃、渡来人の秦氏がこの地に移住し、701年、秦忌寸都理(はたのいみきとり)が、現在の地に松尾山に残る磐座の神霊を勧請して秦氏の総氏神として社殿を創建した。 室町時代のころから、酒造の神としても信仰されるようになり、亀の井の霊水を酒の元水として造り、醸造の時に混ぜると酒が腐らないといわれる。 「松尾造り」と呼ばれる両流造りの本殿は国の重文で、上古風、平安風、鎌倉風の三様の庭をもつ松風苑は昭和の銘庭である。 毎年4月下旬の山吹が咲き乱れる時期に行われる「松尾祭」は、千年以上の歴史をもつ祭事で、桂川で神輿の船渡御が行われる。

見所

国重要文化財
本殿 - 1397年建立、1542年改築。屋根は「松尾造り」と呼ばれる両流造りの構造で、他に宗像大社、厳島神社にしか見られない珍しい構造。平成23年から特別参拝が開始された。
木造神像男神坐像 2躯 - 平安時代作。日本最古の神像彫刻の遺品。
木造神像女神坐像 - 同上。
市天然記念物
カギカズラ野生地 - 本殿裏の社叢の沢筋に野生している。
観光名所
楼門 - 江戸時代初期の建築。祈願杓子が掛けられている。
拝殿 - 江戸時代初期の建築。
釣殿 - 同上。
中門 - 同上。
回廊 - 同上。
神庫 - 同上。
鳥居 - 注連縄に榊(なぎ)の小枝を束ねた「脇勧請」が数多く垂れ下り、鳥居の原始形式を示す。
摂末社 - 松尾七社(月読神社・四大神社・衣手社・三宮社・宗像社・櫟谷社・月読社)。
月読神社 - 松室山添町にある境外摂社。
櫟谷神社(いちたにじんじゃ) - 嵐山中尾下町にある境外摂社。
宗像神社 - 嵐山中尾下町にある境外摂社。
西七条御旅所 - 松尾祭のときの神輿の御旅所。西七条南中野町にある。
お酒の資料館 - 酒造工程、酒造道具、酒器、お酒に関する展示。
松風苑 - 昭和50年、重森三玲作庭。青石200余個は吉野川より運び、昭和を代表する現代庭園。
松風苑 上古の庭(磐座の庭) - 中央の巨岩二つは祭神男女二柱。ミヤコザサは人の立ち入れない高山の趣き、多数の青石は随従する諸神を表現。
松風苑 曲水の庭 - 平安風の曲水式庭園。現代風に作庭され、四方何所から見ても八方美の姿。
松風苑 蓬莱の庭 - 鎌倉期に代表される回遊式庭園を取り入れたもので、重森三玲の遺志を継いで長男 重森完途が完成させた。
即興の庭 - 宝物館と葵殿の間にある枯山水庭園。当初の設計にはなく、即興で造り上げられた。
神使の庭 - 神使の亀と鯉のいる庭。
磐座 - 松尾山の渓谷の北にある谷が「大杉谷」と称され、その頂上近くにある社殿が創建される以前の磐座。
御手洗川 - 霊亀の滝、曲水の庭へと流れる。
亀の井 - 酒の元水として造り、醸造の時に混ぜると酒が腐らないといわれる。延命長寿、甦りの水ともいわれる名水。
駕輿丁船(かよちょうふね) - 松尾祭の神幸祭での川渡しが行われる神輿船。
椋の霊樹 - 蓮菜の庭前に立っていた樹齢800年の大椋。平成5年の大雨で枯朽。
相生の松 雄雌根が同じで、恋愛成就、夫婦和合の御利益。

祭事

毎月1日
亀楽粥(きらくがゆ) - 早朝の「おついたち詣り」で振舞われるお粥。神餅米と亀の井の霊水で作られる。
1月1日
歳旦祭
1月15日
古神札焼納祭
2月節分
節分祭
2月11日
紀元祭
2月17日
祈念祭
4月2日
例祭 - 茂山千五郎家の狂言、金剛流の謡曲などの奉納。
4月中酉日
中酉祭・醸造完了感謝祭
4月下旬
松尾祭 - 山吹が咲き乱れる時期に行われる千年以上の歴史をもつ祭事。桂川で神輿の船渡御が行われる。期間中に神幸祭、護符講、講社祭、還幸祭などが執り行われる。
6月30日
大祓式
7月第3日曜
御田祭 - 三人の植女が早稲、中稲、晩稲を手に、荘夫の肩に乗り境内を3周し、謡曲などの奉納が行われる。京都市無形文化財に指定されている。
9月第1日曜
八朔祭 - 奉納大相撲、山ぶき会「女神輿」巡行、渡月橋付近で舟渡御、数千個の提灯が灯され、嵯峨野六斎念仏が奉納される。
11月上卯日
上卯祭・醸造安全祈願祭 - 酒造りは、卯の日に始め、酉の日に終わる習わしがある。
11月23日
新嘗祭
12月23日
天長祭
12月31日
大祓式・除夜祭

歴史

神代
この地方一帯に住んでいた住民が、松尾山の神霊を祀って守護神としたのが由来といわれる。松尾山大杉谷の山頂近くに磐座とされる巨石がある。
5世紀頃
渡来人の秦氏が、この地に移住し、土地の開拓、河川の治水を行った。
701年
秦忌寸都理が、現在の地に磐座の神霊を勧請して秦氏の総氏神として社殿を創建した。忌寸都理は、娘を斎女として奉仕させたといわれ、神職の世襲が禁止される明治時代まで、秦氏が神職を務めた。
714年
松尾山大杉谷に、首に3つ、背中に7つの星があり、尾が緑毛・金色毛に覆われた亀が現れ、朝廷に献上したところ、めでたいとして元号を「霊亀」に改元され、亀は再び大杉谷に放たれたと伝わる。
733年
背後の御手洗谷から霊泉が湧き出て、「この霊泉を飲めば諸病を癒し寿命を延ばす。この水で酒を醸造して祀れば、寿福増長・家門繁栄すべし」と託宣があったと伝わる。
平安時代
平安京に遷都されたのは、秦氏の力によるものともいわれ、朝廷から厚い崇敬を受け、正一位の神階、明神二十二社上七社に列せられた。賀茂社とともに王城鎮護の社となり、「賀茂の厳神、松尾の猛霊」と称された。丹波、摂津、越中、甲斐、遠江、伯耆、豊前などに荘園を所有していた。
1004年
一条天皇の行幸以来、たびたび天皇が行幸された。
江戸時代
朱印地千二百石、嵐山一帯の山林を有していた。
明治4年
「松尾神社」の名称で、官幣大社第四位に列せられた。
昭和25年
「松尾大社」に改称した。

撮影後記

 境内にはこもかぶりの四斗樽が数多く奉納されている市内屈指の古社。 神苑の案内係の老紳士は、松尾大社が京都で一番古いと仰っていました。 大山咋神が上賀茂神社の主祭神 賀茂別雷命(かもわけいかづちのみこと)の父神という説からだとか。 上賀茂神社が京都最古の神社としては有名ですが、まぁ、神代の話なので、どちらが古くても意味のないことかもしれませんが。
 松尾大社といえば、ヤマブキも有名ですよね。 ただ、この時期は東北地方の桜を追っかけて、寝る暇もないほど忙しいので、撮影したことがないのが心残り。 撮影できるのはいつになることやら。

更新履歴

2011年11月11日
初版をアップロードしました。
2013年12月31日
携帯電話・スマートフォン専用壁紙を休止しました。
2014年1月1日
一部の無料壁紙を会員限定の閲覧に制限しました。
2014年3月23日
登録カテゴリを洛西から移動しました。

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