退蔵院

二つの名庭

1404年創建の臨済宗妙心寺塔頭。ひょうたんでナマズを捕えるという禅の公案を描いた国宝 瓢鮎図を所蔵する。狩野元信作と伝える国の名勝・史跡の枯山水庭園と800坪もの池泉庭園の二つの名庭があり、花暦が豊富である。

退蔵院

退蔵院について

基本情報

寺号
退蔵院(たいぞういん)
宗派
臨済宗妙心寺派
寺格
妙心寺塔頭
創建
1404年(応永十一年)
開山
無因宗因
開基
波多野重通
本尊
聖観音
駐車場
無料駐車場あり - 妙心寺駐車場利用。
交通機関
京福妙心寺駅徒歩5分、市バス妙心寺北門前徒歩5分
住所
京都府京都市右京区花園妙心寺町35
サイト
退蔵院

概要

1404年に建立された臨済宗妙心寺の塔頭。 瓢箪(ひょうたん)でなまずを捕まえるにはどうすればよいかという禅の公案を表した国宝 瓢鮎図(ひょうねんず)を所蔵する。 方丈は慶長年間(1596-1615)の建立で国重文。 方丈庭園は、戦国時代の狩野元信作庭と伝え、回遊式に観賞式を加味した枯山水庭園で、国の名勝及び史跡。 また、800坪の回遊式山水庭園 余香苑は、中根金作氏の作で昭和の名庭として名高い。 花暦が豊富で、特に春の紅枝垂桜と秋の紅葉は衆目を集める。

見所

国宝
紙本墨画淡彩瓢鮎図 - 瓢鮎図で名高い。山水画の始祖 如拙の筆。足利義持の命で制作された。瓢箪でなまずを捕まえるにはどうすればよいかという禅の公案を表したもの。当院には模写を展示。(京都国立博物館寄託)
国史跡名勝
退蔵院庭園(元信の庭) - 方丈を囲むように苔に松樹一本を植えた南庭から、深山幽谷をおもわす主庭である西庭、そして北庭へと続く禅寺らしい絵画的手法で作庭された枯山水庭園。西庭は室町時代の狩野元信の築庭とも伝わる。
国重要文化財
本堂(方丈) 附:玄関 - 慶長年間(1596年~1615年)の建立。障壁画は狩野了慶の筆。玄関は袴腰造。
花園天皇宸翰消息
後奈良天皇宸翰徽号勅書 -(京都国立博物館寄託)
後奈良天皇宸翰消息 -(京都国立博物館寄託)
観光名所
余香苑 - 約800坪の池泉回遊式庭園。昭和36年、中根金作の作庭。江戸時代作の水琴窟や、白川砂を用いた陽の庭、安曇川の砂を用いた陰の庭がある。紅しだれ桜と紅葉の名所。
大休庵 - 余香苑を鑑賞しながらの茶席になっている。
囲の席(かくれ茶室) - 茶道が修行の妨げになるとされていた時代に、茶室と分らないように建てられた。(特別公開時以外は非公開)

歴史

1404年
越前国の波多野重通が、妙心寺第3世 無因宗因に帰依して、千本松原に創建された。
室町時代
妙心寺7世 日峰宗舜によって妙心寺山内に移された。
応仁の乱
兵火で荒廃した。
戦国時代
利貞尼の寄進によって山内の現在地に移転し、その後、妙心寺第34世 亀年禅愉(きねんぜんゆ)によって中興され、「元信の庭」が作庭された。
安土桃山時代
豪商 比喜多宗味らにより整備された。
昭和36年~38年
中根金作によって余香苑が作庭された。

撮影後記

 三門のすぐ西側にある通年公開塔頭のひとつ。 元信の庭と呼ばれる回遊式に観賞式を加味した枯山水庭園と、垣根を隔てて広大な池泉回遊式庭園の余香苑があり、時代と様式を別にした二つの名庭がある贅沢な寺院です。
 鑑賞するだけに飽き足らない方は、味を加味した贅沢もできるそうです。 ベニシダレが咲く頃は「観桜会」の宴が催され、精進料理とライトアップされた艶美な桜を愛でます。 仲秋の名月には「観月茶会」の茶会が催され、かくれ茶席が特別公開されます。 秋の紅葉の頃には「観楓会」で、松茸を中心とした精進料理をいただきながらライトアップされ幽玄な余香苑を眺めます。 夜間特別拝観には、予め事前申し込みが必要なので、ホームページでチェックしてください。

更新履歴

2012年9月14日
初版をアップロードしました。
2013年12月31日
携帯電話・スマートフォン専用壁紙を休止しました。
2014年1月1日
一部の無料壁紙を会員限定の閲覧に制限しました。
2015年10月24日
ギャラリーに作品を1点追加しました。

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