大報恩寺

千本釈迦堂

西陣にある真言宗智山派の寺院で、「千本釈迦堂」と通称される。国宝本堂は、1227年建立当時の京都市内最古の仏堂で、阿亀(おかめ)の逸話は名高い。12月7日・8日には、冬の風物詩「大根焚き」の参拝者で賑わう。

千本釈迦堂

千本釈迦堂について

基本情報

山号寺号
瑞応山大報恩寺(ずいおうざんだいほうおんじ)
別称
千本釈迦堂
宗派
真言宗智山派
創建
1227年(安貞元年)
開山
義空(ぎくう)
本尊
釈迦如来
札所
新西国三十三箇所 16番、京都十三仏霊場 8番
駐車場
無料駐車場あり
交通機関
上七軒バス停徒歩3分
住所
京都府京都市上京区今出川通七本松上ル溝前町1305

概要

西陣にある真言宗智山派の寺院で、「千本釈迦堂」と通称される。 本堂は、応仁の乱の兵火を免れた1227年建立当時の市内最古の仏堂で、国宝に指定されている。 本堂創建時、大柱を誤って切ってしまった大工棟梁の妻 阿亀(おかめ)が、一計を案じ本堂を落成させることができたが、上棟式前日、「女の提案で大任を果たしたことが世間に知れては夫の恥」と自害してしまったおかめの逸話が残る。 また、霊宝殿には多数の重文仏像を安置している。 2月節分は阿亀の福にあずかり、12月7日・8日は諸病封じの大根焚きの参拝者で賑わう。

見所

国宝
本堂(千本釈迦堂) - 1227年建立の京都市内最古の仏堂。行快作の釈迦如来坐像を安置する。応仁の乱の兵火を免れ、内陣の柱には矢傷や刃傷が残る。大柱上部には、大工棟梁が誤って切ってしまったために妻おかめのアイデアで作られたという升型の受けがある。
国重要文化財
木造釈迦如来坐像 - 本堂に安置される秘仏本尊。鎌倉時代の作。快慶の弟子である行快の作。
木造十大弟子立像 10躯 - 1218年、快慶の作。霊宝館に収蔵。
木造六観音像 6躯 - 1224年、肥後別当定慶の作。北野経王堂の旧蔵。
木造千手観音立像 - 霊宝館に安置。平安時代作。
銅造誕生釈迦仏立像 - 霊宝館に安置。鎌倉時代作。
木造傅大士及二童子像 3躯 - 1418年の作。北野経王堂の旧蔵。
だ太鼓縁 一対 - 霊宝館に安置。室町時代の太鼓縁。
北野経王堂一切経 5,048帖 - 1412年の一切経で、書写一切経としては日本最後のものといわれる。
観光名所
霊宝館 - 寺宝が安置されている。
おかめ塚 - 本堂創建時、大柱を誤って切ってしまった大工棟梁の妻 阿亀(おかめ)が、一計を案じ本堂を落成させることができたが、上棟式前日、おかめは「女の提案で大任を果たしたことが世間に知れては夫の恥」と自害してしまった内助の功をしのぶ。昭和54年に建立されたブロンズ像もある。
願成就寺北野経王堂 - 足利義満が、明徳の乱での菩提を弔うため内野(北野天満宮門前)に建てたといわれ、神仏分離によって大報恩寺に解体縮小して移築された。
稲荷社 - 1250年、二世如輪により、賀茂、春日、石清水、日吉、今宮の五社とともに勧請した。
不動明王堂 - 山名氏清、山名宗全の念持仏という不動明王尊を祀る。
阿亀桜 - 本堂前に立つシダレザクラ。

行事

2月節分
おかめ節分会 - おかめの福徳による鬼やらいと豆まき。
3月22日
千本釈迦念仏・遺教経会 - 文永年間(1264年~1275年)から始められた伝統行事。吉田兼好の「徒然草」にも記録がある。
7月9日~11日
陶器市 - 境内に露店が出店し、10日には陶器供養会が行われる。
8月8日~12日
精霊迎え・六道まいり - 葬送地「蓮台野」に使者を葬る時に撞いたという故事にちなみ、精霊迎えの「迎え鐘」が撞かれる。
12月7日~8日
大根焚き・成道会 - 大根に梵字を記して中風など無病息災を祈願し、大鍋で煮込み参拝者にふるまわれる師走の風物詩。

歴史

1221年
藤原秀衡の孫 義空が、この地の寄進を受けて釈迦念仏の道場として小堂を構え釈迦如来像と十大弟子像を安置した。
1227年
本堂が摂津の材木商の寄進をうけ建立された。
1235年
倶舎・天台・真言の三宗弘通の道場となり、後に天台宗専門道場となった。
応仁の乱
兵火で堂宇を焼失したが、本堂のみ奇跡的に焼失を免れた。
江戸時代
真言宗に改宗し、智積院の隠居所となった。
1730年
火災で焼失したが、本堂は類焼を免れた。
明治維新
神仏分離で、北野天満宮の北野経王堂願成就寺が当寺に移築された。

撮影後記

 上七軒の花街の近く、千本通と七本松通の間の西陣の町屋が立ち並ぶ中にあります。 応仁の乱で陣が敷かれた西陣にありながら、兵火を奇跡的に免れた国宝本堂が有名な寺院であります。
 もうひとつ有名なのが阿亀の逸話。 境内には、お亀の宝篋印塔や銅像、「阿亀桜」と名付けられている樹勢旺盛なシダレザクラの名桜も立っています。 ほっぺが膨らんだ面白い顔のお多福として知られる「おかめ」ですが、京都で上棟式(たてまえ)を行うとき、おかめの面を御幣に付ける習慣があるそうで、おもしろいですね。

更新履歴

2012年8月11日
初版をアップロードしました。
2013年12月31日
携帯電話・スマートフォン専用壁紙を休止しました。
2014年1月1日
一部の無料壁紙を会員限定の閲覧に制限しました。

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