さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
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さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
「伊那三女ゆかりの桜」と称される推定樹齢400年のシダレザクラ大樹が、上伊那郡飯島町本郷の臨済宗西岸寺(せいがんじ)門前に自立している。 伊那三女とは、元文年間(1736~1741年)飯田の依田梅山に和歌を駿河の白隠禅師に禅を学んだ、本郷村の河野清(きよ)、桃沢亀(かめ)、それに七久保村の那須野さんである。 文政12年(1829年)刊の「信濃奇談」に三女が登場する。 本郷村の二女が、西岸寺の桜を眺め歌を詠んでいた。 それを伝え聞いた七久保村のさん女から「色も香も盛りと聞きし花にまたこと葉の花の色も添ふらん」という一首が二女のもとに贈られた。 二女はすぐに「吹く風に散らば惜しけん桜花はや来て見ませ咲きの盛りを 清女」「もろともに見てぞ嬉しきこの寺の花のむしろに来よまどゐせん 亀女」という返歌を遣わした。 さん女は早速、酒と肴を持参して尋ねゆき、終日三女で花見酒に興じたという。
西岸寺境内には、飯島町指定天然記念物の「西岸寺のカヤ」も立っています。
シダレザクラの方は天然記念物には指定されていませんが、しかしながら飯島町で最も見ごたえのある名桜だと思います。
七久保にある慈福院が、西岸寺の和尚を請じて創建されたことから、慈福院のシダレザクラの親木という可能性もあるのではないでしょうか。
そして「三女ゆかりの桜」の逸話も素敵です。
今でいえば、歌好きな三人娘が女子会を催しただけの話なのでしょうが、やれ桜木を地面に突刺したところ~やら等の後付的なベタな縁起より、こういった他愛のないエピソードの方がイイ。
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