称名寺

金沢文庫

金沢にある真言律宗別格本山。開基は金沢北条氏の祖である北条実時で、代々金沢北条氏の菩提寺として栄えた。境内にある「金沢文庫」は、実時が設置した武家の文庫で、日本初の私設図書館とも位置付けられている。

称名寺

称名寺について

基本情報

山号寺号
金沢山称名寺(きんたくざんしょうみょうじ)
宗派
真言律宗
寺格
別格本山
創建
1258年(正嘉2年)
開山
審海
開基
北条実時(金沢実時)
本尊
弥勒菩薩
札所
新四国八十八箇所霊場 75番 金沢八景
駐車場
無料駐車場あり
交通機関
京急金沢文庫駅徒歩10分、シーサイドライン海の公園南口駅徒歩10分
住所
神奈川県横浜市金沢区金沢町212-1
サイト
神奈川県立金沢文庫

概要

金沢にある真言律宗別格本山。 境内全域が国の史跡に指定されている。 1258年、金沢北条氏の祖 北条実時が、六浦荘金沢の屋敷に建てた持仏堂がその起源とされる。 その後、極楽寺の忍性による推薦で下野薬師寺の審海を開山に招き、真言律宗の寺となった。 鎌倉時代、代々金沢北条氏の菩提寺として栄え、七堂伽藍や庭園が整備されたが、鎌倉幕府滅亡とともに金沢北条氏も滅び衰退した。 江戸時代になると現存する建物が再建され復興を果たした。 境内にある「金沢文庫」は、北条実時が設置した武家の文庫で、日本初の私設図書館とも位置付けられている。 実時が病で没する直前、屋敷に文庫を設けたのがはじまりとされる。 文庫には、実時が収集したあらゆる書籍が収められていたが、寺運の衰退とともに蔵書も次第に全国へ散逸してしまった。 それでも今なお多数の文化財を保有し、現在、歴史博物館と国宝や重要文化財の蔵書を研究する施設となっている。

見所

国宝
絹本著色北条実時像、北条顕時像、金沢貞顕像、金沢貞将像、附:顕弁像 - 金沢北条氏四代の肖像画。
文選集注 - 平安時代の書写。
国重要文化財
木造大威徳明王像・像内納入品 - 運慶の真作。光明院蔵。
木造弥勒菩薩立像 - 金堂の本尊。鎌倉時代作。
木造釈迦如来立像 - 釈迦堂安置。鎌倉時代作。
木造十一面観音立像 - 鎌倉時代作。
絹本著色十二神将像 - 鎌倉時代作。
厨子入金属製愛染明王坐像 - 鎌倉時代作。像高僅か6.4cm。
板絵著色弥勒来迎図・弥勒浄土図 - 鎌倉時代作。
絹本墨画淡彩十六羅漢像 - 元時代作。
絹本著色北条実泰像 - 鎌倉時代作。
絹本著色審海像
絹本著色忍性像 - 鎌倉時代末作。
銅鐘 - 鎌倉時代作。金沢八景のひとつ「称名寺の晩鐘」で名高い。
金銅装宝篋印塔 - 鎌倉時代作。
ばっ子 - 打楽器の一種。鎌倉時代作。
玉簾 - 細長いガラス棒を並べた簾。鎌倉時代作。
葛箱 - 鎌倉時代作。
青磁壺 - 宋時代作。
黒漆須弥壇、黒漆大壇、黒漆礼盤、黒漆机、黒漆磬架 - 鎌倉時代作。
称名寺絵図並びに結界記 - 鎌倉時代作。
紙本墨書円覚経 - 鎌倉時代。
紙本墨書明儒願文集 - 鎌倉時代。
弘決外典鈔 巻第一、二、三 - 鎌倉時代。
連歌懐紙 - 鎌倉時代。
卜筮書巻第廿三断簡 - 唐時代。
古今和歌集第一、二残闕(片仮名本) - 鎌倉時代。
宋版一切経 - 南宋時代。
法曹類林断簡 - 律令格式に基づいた判例集で金沢貞顕が書写。
日本図(遠江、越後以東欠) - 鎌倉時代。
金沢文庫文書 - 鎌倉時代~南北朝時代の文書群。
宋版南史 - 現存最古の南宋時代の版本。
県文化財
金堂 - 1681年の再建。
絹本著色僧形八幡神像 - 鎌倉時代後期作。
絹本著色伝南山和尚像 - 鎌倉時代後期作。
絹本著色伝霊芝和尚像 - 鎌倉時代後期作。
絹本著色種子愛染明王図 - 鎌倉時代後期作。
絹本著色焔魔天曼荼羅図 - 鎌倉時代後期作。
絹本著色三千佛像 - 南北朝時代作。
絹本著色千体佛像 - 南北朝時代作。
絹本著色高僧像 - 南北朝時代作。
木造彩色僧形八幡坐像 - 鎌倉時代作。
木造金剛力士立像 - 鎌倉時代1323年の作。
木造十大弟子立像 - 鎌倉時代作。
国史跡(境内)
金沢文庫(かなざわぶんこ / かねさわぶんこ) - 北条実時が設置した武家の文庫で、日本初の私設図書館とも位置付けられている。現在は、歴史博物館と国宝や重要文化財の蔵書を研究する施設。
称名寺庭園 - 金沢北条氏3代貞顕の代に整備されたもので、昭和62年に復元された浄土式庭園。
総門 - 丹塗の赤門。1771年の再建。
仁王門 - 1818年の再建。木造金剛力士像を安置。
釈迦堂 - 1862年の建立。
鐘楼 - 金沢八景のひとつ「称名寺の晩鐘」で名高い。
新宮 - 称名寺の鎮守。1790年の再建。
八角堂 - 金沢山山頂にあり眺望がよい。
北条実時公御廟 - 日向山にある北条実時の墓。
北条顕時・貞顕公御廟 - 庫裏の西側にある北条顕時、北条貞顕の墓。
称名寺歴代住職墓地 - 金沢山の麓にある歴代住職の墓。
塔頭 - 光明院(表門は1665年の建立)、大宝院。

歴史

1258年
金沢北条氏の祖 実時が、六浦荘金沢の屋敷に建てた持仏堂(阿弥陀堂)がその起源とされる。
1267年
極楽寺の忍性による推薦で、下野薬師寺の審海を開山に招き、真言律宗の寺となった。
1275年
実時は、病で没する直前、屋敷に文庫を設けた。
鎌倉時代
代々金沢北条氏の菩提寺として栄え、七堂伽藍や庭園が整備された。
室町時代
鎌倉幕府滅亡とともに金沢北条氏も滅び衰退した。
江戸時代
現存する建物が再建され復興した。
1897年
金沢文庫が、伊藤博文らによって称名寺大宝院跡に再建された。
大正12年
金沢文庫が、関東大震災で倒壊した。
昭和5年
県立の図書館として神奈川県立金沢文庫として復興。
平成2年
金沢文庫の新館が完成した。

撮影後記

 鎌倉の外港である六浦津がある金沢を代表する寺院です。 武家を代表する文化人であった北条実時が開基となっただけあって、見所にズラッと並んだ文化財の数々。 伽藍も立派ですが、それ以上に金沢北条氏が収集した多くの文化財を今に伝え、これこそ称名寺の最大の特徴でしょう。 数えたことはありませんが、円覚寺に匹敵する文化財の数ではないでしょうか、もしかしたらそれ以上かも。 そういったことから、「武家の古都・鎌倉」としての世界文化遺産の候補地として、寺社では唯一、鎌倉市以外からノミネートされています。

更新履歴

2012年6月30日
初版をアップロードしました。
2013年12月31日
携帯電話・スマートフォン専用壁紙を休止しました。
2014年1月1日
一部の無料壁紙を会員限定の閲覧に制限しました。
2014年11月14日
ギャラリーに作品を5点追加しました。
2014年11月15日
ギャラリーに作品を1点追加しました。
2015年10月17日
ギャラリーの作品を1点削除しました。

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