さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
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さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
寒河江市白岩の南向斜面に立つ、伝承樹齢七百余年のエドヒガンザクラ。 山形県の天然記念物に指定されている銘桜である。 その昔、源義家に滅ぼされた安倍貞任(あべのさだとう)が、出羽の賊の首領であった太郎松と組んで地方農民を苦しめた。 農民は山深く遁れ春の種蒔く時期を失った。 人々が心を痛めて帰ってみると、田畑には芽が生えており、この桜の根方に沢山の五穀の種子がこぼれていた。 これはきっと桜の精が救ってくれたのだと誰いうとなく「種蒔桜」というようになった。 それ以来、この花の咲く頃に種を蒔けば豊作疑いなしと人々は大切にしてきた。
サクランボの一大産地で有名な寒河江の名桜です。 バイパスから六十里越街道の旧街道沿いの道路脇に立っているので一目でわかります。 「種蒔ザクラ」というまんまなネーミングは、県指定ブランドだからこそ許されるものなのでしょう。 近くの「道の駅寒河江チェリーランド」は、大型連休ということもあり、大変賑わっていました。 一方、このサクラは愛でる人もなく、薄紅色の桜花が心地よい春風に揺れていました。 樹齢は700余年ということですが、上部枯損した樹幹に面影を留めています。 ただ、痛々しく、周囲には障害物も多く、撮影映えする一本桜ではありませんでした。 羊雲浮かぶような空だったら、斜面上の道路から、寒河江の平野を入れて撮ってみるのもいいかもしれません。
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