さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
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さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
福島市佐原の慈徳寺に植えられている樹齢300年ほどのシダレザクラで、市指定天然記念物及び福島県の緑の文化財に登録されている、福島市を代表する名桜である。 花は一重五弁で濃紅色を呈し、ベニシダレの特徴を有す。 懸造の舞台から、長い下枝を斜面下の地面に届かんばかりに下垂する姿は、きわめて艶美である。 佐原地区では、この桜が開花すると苗代に種蒔きをする目安としてきたことから「種まき桜」と呼ばれている。 「正徳の治」を仕切った間部詮房の江戸家老であった鈴木源左衛門は、当地佐原の出である。 鈴木源左衛門に敬意を表し、伊達家で植樹されたともいわれる。 曹洞宗慈徳寺は、伊達政宗の父・伊達輝宗公によって創建された伊達家ゆかりの寺である。 天正13年(1585年)、輝宗が、二本松城主・二本松義継に謀殺され、当時小浜城に居た政宗は、父の遺体を慈徳寺へ運び、ここで荼毘に付した。 当初は「寿徳寺」と称していたが、奥州仕置で伊達氏が国替えになった際に遷され、江戸時代になって佐原の旧地に再興された。
本樹の娘は松川町の芳水の桜。 その孫娘は、樹木葬墓地にある「宝珠桜」で、樹齢は40年ほどとのこと。 樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を植えて、その下に埋葬するもの。 福島県では唯一認可されている寺院だそうです。 「桜の樹の下には屍体が埋まつてゐる!」という梶井基次郎の有名な小説がありましたが、日本人にとって、桜と死は切っても切れない絆で結ばれているのかもしれません。
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