さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
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さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
国の天然記念物に指定されている名桜が岐阜市大洞の如意山願成寺にある。 花弁の数が20~30枚と多いヤマザクラの極めて珍しい変種で、国の天然記念物に指定されている。 郷土の偉人で昆虫翁と言われた名和靖氏の尽力で、東京帝国大学の三好学博士によって新種であることが確認され、「Prunus furoridora miyoshi」という学名が付けられている。 名前の由来となった中将姫は、天平時代の藤原豊成という貴人の姫である。 継母からの迫害を逃れて各地を流転後、756年(天平勝宝8年)願成寺に辿り着き、長旅の疲れで婦人病に罹っていたが、願成寺の十一面観音像に誓願したところ忽ち平癒した。 感謝の意と後世の女性の為に誓願をこめ、大和葛城の當麻寺で織ったのと同じ曼陀羅と共に、境内に1本のサクラを植えたと伝わっている。 この桜に誓願すると、婦人病や安産に霊験があるとして信仰が篤い。
願成寺の境内北と聖天堂の下に、「宇宙返り中将姫誓願桜直系2世」が植樹されています。 そこには興味深いお話が紹介されていました。 今まで実生からは育てられなく接木によって株分けしていたのですが、平成20年に種子を宇宙にという「花伝説・宙へ」というプロジェクトをJAXAから持ちかけられました。 翌年に国際宇宙ステーション日本実験棟「きぼう」に打ち上げ、8か月間無重力状態で保管し、帰還後に種を蒔いたところ、平成22年3月14日に発芽が確認できました。 それは奇しくも中将姫の命日でした。 また興味深いことに、直系二世桜は八重ではなく一重五弁です。 DNA鑑定の結果、90パーセント以上の確率で直系であると判定されています。
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