さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
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さくら紀行
全国の一本桜、名桜、お花見名所への巡礼記憶
野付郡別海町の奥行臼は、明治末期から入植が行われた奥行臼地区の交通拠点として、北海道の駅逓制度で現存している数少ない駅逓(えきてい)である。 国の史跡に指定されている奥行臼駅逓内には、花見用畳が敷かれている。 駅逓開設と同時にエゾヤマザクラが植樹され、開花期には廊下にも畳を敷いて、主人、旅人、使用人が総出で階上から花見を楽しんだという。 当時植えられた桜は既に枯れてしまったが、奥行臼駅逓前の林宅敷地内に立ている桜は見栄えが良く、「後世に残したい桜」として根室振興局林務課によって認定されている。 また、旧奥行臼停留所附近の山崎牧草地内に自立している桜は、遠く斜里岳から知床連山が望める景勝地で、同様に「後世に残したい桜」に認定されている。
奥行臼周辺に桜が多いのには理由があります。
江戸時代の宿駅制度は内地では明治初頭に消えましたが、北海道の辺境では駅逓制度として昭和初期まで存続し、根室原野の開拓の拠点となりました。
駅逓制度とは、交通不毛の地に駅舎と人馬を備え、人馬の継ぎ立てと宿泊、物資の運搬のためのもの。
奥行臼は、別海・別当賀・西別への分岐点となる要衝となる駅逓であり、駅逓開設と同じくして桜が植樹され、旅人たちを喜ばせたといいます。
また、道内だけで600を超える駅逓所が存在したといわれ、駅逓周辺には馬が放牧されていました。
実は、奥行臼への訪問の目的は、桜に馬を絡めて撮影するため。
そんなありふれた光景も、現在ではままならないものとなってしまったようです。
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