奥行臼の桜

駅逓制度の名残桜

駅逓制度で現存する別海町の奥行臼駅逓周辺には、駅逓開設時にエゾヤマザクラが植樹され、開花期には主人、旅人総出で花見を楽しんだという。現在、「後世に残したい桜」として根室振興局によって認定されている。

奥行臼の桜

奥行臼の桜について

基本情報

名称
奥行臼の桜(おくゆきうすのさくら)
樹種
蝦夷山桜(大山桜)
樹形
奥行臼駅逓前: 幹径0.3~0.4m、樹高5m - 根室振興局。
山崎牧草地内: 幹径0.2~0.3m、樹高7~10m - 根室振興局。
指定
根室振興局「後世に残したい桜」 - 平成17年 根室支庁認定。
国史跡(奥行臼駅逓) - 平成23年 日本国文部科学省指定。
見頃
例年5月中旬から5月下旬頃
夜桜
ライトアップなし
駐車場
無料駐車場あり
所在地
北海道野付郡別海町奥行15-12

概要

野付郡別海町の奥行臼は、明治末期から入植が行われた奥行臼地区の交通拠点として、北海道の駅逓制度で現存している数少ない駅逓(えきてい)である。 国の史跡に指定されている奥行臼駅逓内には、花見用畳が敷かれている。 駅逓開設と同時にエゾヤマザクラが植樹され、開花期には廊下にも畳を敷いて、主人、旅人、使用人が総出で階上から花見を楽しんだという。 当時植えられた桜は既に枯れてしまったが、奥行臼駅逓前の林宅敷地内に立ている桜は見栄えが良く、「後世に残したい桜」として根室振興局林務課によって認定されている。 また、旧奥行臼停留所附近の山崎牧草地内に自立している桜は、遠く斜里岳から知床連山が望める景勝地で、同様に「後世に残したい桜」に認定されている。

撮影後記

 奥行臼周辺に桜が多いのには理由があります。 江戸時代の宿駅制度は内地では明治初頭に消えましたが、北海道の辺境では駅逓制度として昭和初期まで存続し、根室原野の開拓の拠点となりました。 駅逓制度とは、交通不毛の地に駅舎と人馬を備え、人馬の継ぎ立てと宿泊、物資の運搬のためのもの。 奥行臼は、別海・別当賀・西別への分岐点となる要衝となる駅逓であり、駅逓開設と同じくして桜が植樹され、旅人たちを喜ばせたといいます。
 また、道内だけで600を超える駅逓所が存在したといわれ、駅逓周辺には馬が放牧されていました。 実は、奥行臼への訪問の目的は、桜に馬を絡めて撮影するため。 そんなありふれた光景も、現在ではままならないものとなってしまったようです。

更新履歴

2014年8月11日
初版をアップロードしました。

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